さがの日々

佐賀市で暮らす筆者の主に食に関するブログです

アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した 我々の未来は・・・・

今日は明るい曇り空。

午後から所により雨となった佐賀市。

総量としては極僅か。

蝉の声が一段と増・・・・・・

 

今日の仕事終わりはこちら。

「アマゾンの倉庫で絶望し、

 ウーバーの車で発狂した/シェームズ・ブラットワース」 

アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した

2019年3月発行。

原題は「HIRED(雇われ人)」

 

目次を記すと概ねの内容がわかると思いますが、

イギリスで最低賃金労働の現場報告。

第1章 アマゾン

第2章 訪問介護

第3章 コールセンター

第4章 ウーバー

 

どの章も著者が自ら経験。

www.businessinsider.jp

上記インタビューの中で印象的になのは、

4業種の中で、

「一番ひどかったのは」アマゾンとの言葉。

 

本書の中からアマゾンの部分、

一部 ご紹介。

 

「代わりに従業員は、

 自宅軟禁の罪を言い渡された犯罪者のごとく、

 すべての動きを追跡できるハンドヘルド端末の携帯を

 義務付けられた。」

「近い将来、人間がこの種のデバイスに

 24時間つながれるようになったとしても、

 なんら驚くことではない。」

 

「ときに彼は(ジェフ・ベゾス)、ピッカー(倉庫内集積係)が、

  29ポンド(3900円弱)稼ぐのと同じ時間で

 資産を14億ポンド(1900億円弱)増やしたことがあった。」

 

「ここで動物のように働くこともできます。

 4日間働けば、240ポンド(33000円弱)を手にできる。

 ここでは、ぼくはただのつまらない人間です。

 でもルーマニアに戻ったら、ぼくは食事代もない

 つまらない人間になるんです」

 

「アマゾンのほかの多くのルールと同じように

 病気に関するルールもまた、仕事のあらゆる側面において

 従業員がズルしようとしているという

 暗黙の前提に成り立っていた。」

 

「仕事のあまりの惨めさが、

 タバコ、アルコール、

 そのほかのあらゆる刺激に対する欲求を駆り立てた。」

 

「アマゾンのような企業での労働生活は、

 H・G・ウェルズの小説『タイムマシン』における

 イーロイとモーロックの分離にどこまでも似ていた。」

 

この本がリアルなのは、

底辺の仕事をしていると、

日常生活が変わると言う描写。

不規則な生活→ジャンクフード、アルコール、

そして考えることが面倒になり、

ひたすら続く継続。

 

私もその経験が(苦笑)

 

貧困は自己責任。

我が国でも多く語られる言葉ですが、

全てがそうではない。

 

Amazonと言う国際巨大企業の末端。

のみならず、

我が国のチェーン店も、

似たような状況なのではと想像。

www.saga-s.co.jp

それが多くの方々が「働く現場」の未来ならば、

「人」の未来はどうなるのか?

 

深く考えさせられる良書。

 

佐賀県立図書館にありますので、

ぜひ。 

 

 

アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した

著/ジェームズ・ブラッドワース 訳/濱野大道

光文社

1800円+税