今日は薄い曇り空。
日差しはあるものの、空気の冷たさ。
春がまた少し戻った感じの佐賀市。
今日の仕事終わりはこちら。
「日本の中の朝鮮をゆく 九州篇―光は朝鮮半島から」
佐賀県立図書館で拝借。
新刊紹介の所に置いてあり、
吉野ヶ里遺跡と名護屋城の表紙が印象的。
弥生時代からの朝鮮半島との繋がり。
それを今に求めて九州紀行。
北部九州では、吉野ヶ里、唐津、有田、伊万里、
長崎、太宰府、水城、九州国立博物館。
南九州では鹿児島、宮崎。
その中でも佐賀県はかなりのページ。
第1部
・唐津―日本の関門に残っている朝鮮文化の痕跡
・有田―陶磁の神、朝鮮陶工李参平
・有田・伊万里―秘窯の村には陶工無縁塔が
著者が美術に造詣が深いとの事で、
佐賀県有田にかなりのページ。
さらに半島から見れば、
負の遺産でしかない名護屋城跡。
「もし名護屋城博物館が彼らの歴史資料館として、
建てられたなら、我々はここを訪れもしなかったであろうし、
それによって過去の問題が大きくなったであろう。
我々としては気分の悪い遺跡でしかないこの場所を歴史の記憶として
訪問することにしたのは、
相手側の国家に対するそれだけの配慮を忘れなかったためである。」
と好印象。
半島出身の方が、
佐賀の為に書いた本でないにも関わらず、
佐賀の地が多くさらに好印象で登場するということは、
半島と佐賀の繋がりの深さ、
そしてそれを今に伝える表現・思想が間違っていない証拠。
そして、
今だからこそ、広げなければならない佐賀の貴重な資源。
本文中にも、
「吉野ヶ里や松盧館、地方遺跡では、
稲作はほとんど必ず朝鮮半島から、
それも朝鮮半島の渡来人が直接もたらしたと明確にしているが、
中央が編纂した考古学の歴史書では、
これをほぼ必ず大陸から来たと書くという点である。」
中国の技術等が韓半島を通って日本に。
その表現は確かに多い。
著者は面白い例えを。
「息子が父親から小遣いをもらっておいて、
「父親の手を経て会社のお金が入ってきた」
というのかと。
同感。
中央政府に左右されず、
アジアの中の九州として、
さらに九州王朝説を信じている身としては、
「倭国」の地としても、
さらなる歴史遺産整備を佐賀県に。
本の中の朝鮮をゆく 九州篇―光は朝鮮半島から/兪 弘濬:著
岩波書店
2800円+税