今日も晴天。
暖かで穏やかな日中だった佐賀市。
今夜は月食。
今日の仕事終わりはこちら。
2014年1月19日発売の新刊。
佐賀市立図書館より。
監視社会などと言うと、40歳以上の方にはソビエトのイメージ。
共産国家と言い換えても良いでしょうが、
国が強大な権限で個人を監視・管理するイメージ。
オーウェルの「1984年」
強圧なビッグブラザーの前にひれ伏す個人。
自由もプライバシーもなく徹底的に監視・管理されるデストピア。
1984 Apple's Macintosh Commercial - YouTube
しかし、現実はそんな分かりやすい「監視社会=悪」
ではなかったと、6つの映画を通じて。
紹介されている映画はどちらかと言えば、一般的な映画ではないので、
分かりやすい例えでは、私企業のFacebook、Twitter。
それらSNSを個人が「主体的」に受け入れている事実。
「膨大な個人情報を、何らの強制も抑圧も強いることなく、
利用者自身の選択に任せるかたちでいとも容易に収集・分析・蓄積」
「権力よって強要される「陰鬱な監視」とは趣をまったく異にする、
市場を舞台とした「楽しい監視」
「人々は自己の利益や快楽を求めて、自ら進んで監視へと身を投じていく」
「楽しく集められた膨大な個人情報を、NSAが秘密裏に収集していたスキャンダル」
考えさせられる捉え方。
朝日新聞デジタル
さらにエピローグは「DJポリス」
もう遠い記憶となってしまった、ワールドカップ出場を決め日の渋谷の街頭。
巧妙な話術により群衆を誘導した警察官。
警察とは、国家権力の具体化であり暴力が認められた行政機関であり、
「優しく、楽しく、オモシロいのであれば、
たとえそれが潜在的な暴力をはらんだ存在であろうと、
歓呼して迎え入れてしまう「わたしたち」
「権力によって監視され体よく管理されている当人が、
自ら進んでそれを受け入れるだけでなく、
監視/管理の担い手への称賛さえ惜しまない」
「少々冷静に考えれば
いささかさ倒錯しているようにさえ思えるこの奇妙な事態こそ、
イマドキの監視のおぞましさが強烈に感じ取れる」
「監視」という言葉と少々異なるイメージ。
大きな「何か」に見られている事で安心する国民性。
性善説的国民性。
スノーデン氏の件やウクライナとはまるで異なる日本という国家。
我が国はやはり特殊。
そしてそこに大きな意味。
そんな気が。
監視デフォルト社会 映画テクストで考える
青弓社
阿部 潔
2000円+税(2100円)